日本の養殖真鯛の実に20%は、愛南町の真鯛と言われています。私たちも祖父の代から三世代に渡って、真鯛の養殖に携わってきました。愛南町の関係者が一丸となって、真鯛と真剣に向き合ってきたからこそ、今の歴史と技術があります。
先代たちの想いを引き継ぎ、更なる美味しさと発展を目指し、日々まじめに真鯛と向き合っています。
私たちの「福の鯛」が育つのは、黒潮が流れ込む広い生け簀です。生け簀は12メートル四方の大きさがあり、1つの生け簀で約1万2千匹、全体でおよそ30万尾を育てています。毎年水質調査も行っており、透明度が高く良好な水質が保たれた環境です。
一つの生け簀の魚の数を過去と比べ15%減らして、運動量を高める工夫も行い、ストレスを与えない環境と低過密で、恵まれた好立地の中で自然の力を借りながら健康に育てています。
養殖真鯛はこれまで色が黒いと言われていましたが、日焼けを防ぐため遮光ネットを改良したことで最近では日焼けは目立たなくなり、鮮やかな赤色をしています。
養殖真鯛のよさは、管理された餌や環境のなかで育てられているため、とにかく安心・安全です。普段から健康に気遣う方や小さいお子さんのいるご家庭では、特に口にされるものに注意されているはずです。
私たちは数社のメーカーから指定した主成分の餌を仕入れ、真鯛の生育状況に応じた餌を与えています。元々20gほどしかなかった稚魚が、1kg~2kgに成長するには、多くの餌が必要です。給餌管理システムを導入し、いつどんな餌を与えたかを記録し、トレーサビリティにも取り組んでいます。きちんと管理された餌を、稚魚から成魚までしっかりと与えることで、元気で健康な真鯛が育つのです。
また、管理された配合飼料は環境への影響も少なく、海をきれいに保てるように自分たちも日頃から心がけています。地域の大切な資源・産業を、これからも大切にして、次世代に繋いでいきます。
このような美しい自然を誇る愛南町・福浦湾ですが、海に栄養を運び、海を守る役割を果たしているのが、豊かな山々です。山には広葉樹林が広がりミネラルなどの栄養分を海に与えてくれます。
愛媛大学 南予水産研究センターも、愛南町の山々の資源や営みが豊かな海に強く結びついている事を、研究で解明されています。